メニュー

JOGMECホーム

債務保証採択案件紹介

20年ぶりの大型地熱発電所が着工
山葵沢地熱発電所[秋田県湯沢市]

山葵沢地熱発電所(湯沢地熱株式会社、秋田県湯沢市山葵沢地域及び秋ノ宮地域)は、2019年の運転開始を目指して建設工事を進めている発電規模4.2万kWを見込む地熱発電所です。2015年1月にJOGMECは本地熱発電事業を、債務保証対象事業として採択しました。
本事業は、1996年に運転を開始した大分県の滝上発電所以来、約20年ぶりの大規模地熱発電所(1万kW以上)の建設となります。

事業者の電源開発(株)、三菱マテリアル(株)、三菱瓦斯化学(株)は、1980〜90年代に起きた乱開発の歴史を真摯に受け止め、市、県、地元の温泉事業者の方々との合意形成に努めてきました。
また、国定公園内での地熱資源開発であることから、調査井を遮蔽物で覆うことで絶景ポイントから隠すといった環境配慮や、環境影響評価法に基づいた環境アセスメントを実施してきました。工事に当たっては、これまでの調査により確認された希少な動植物に配慮し工事計画を設定したり、周辺の温泉の水量や泉質をモニタリングしその結果を温泉組合に定期的に報告しながら進めています。

本件は、環境影響評価法(平成9年6月13日法律第81号)に基づく環境影響評価*を必要とする大規模地熱発電案件に対する、初めての債務保証事業となります。

*地熱発電所建設においては、出力10,000キロワット以上の場合、環境影響評価を実施することが必要となっており、湯沢地熱株式会社は、以下のとおり当該評価を実施している。
平成23年11月 環境影響評価方法書届出
平成26年3月 環境影響評価準備書届出
平成26年9月 環境影響評価書届出、同評価に係る経済産業大臣確定通知受領
平成26年10月 環境影響評価書の公告・縦覧(環境影響評価終了)

事業者概要

事業者 湯沢地熱株式会社
株主 電源開発株式会社(出資比率:50%)、三菱マテリアル(同:30%)、三菱瓦斯化学株式会社(同:20%)
会社設立日 平成22年4月12日
会社所在地 秋田県湯沢市秋ノ宮字山岸99番地7
建設予定地 秋田県湯沢市高松字高松沢・秋ノ宮役内山国有林内
(山葵沢地域及び秋ノ宮地域)

発電事業概要

発電規模
・方式
設備容量42,000キロワット・ダブルフラッシュ方式*
(発電端39.350キロワット、送電端36,050キロワット)
建設期間 平成27年4月〜平成31年5月
運転開始 平成31年5月

*ダブルフラッシュ方式:生から得られた一次蒸気及び熱水を減圧することによって得られる二次蒸気により発電するシステム。国内では、八丁原発電所(大分県)、森発電所(北海道)で採用されている。

債務保証の対象

資金調達 株式会社みずほ銀行(主幹事)、株式会社三菱東京UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行株式会社、株式会社秋田銀行及び株式会社北都銀行から、長期借入26,259百万円を調達
債務補償額 長期借入26,259百万円に対してJOGMECは80%の債務保証を実施

事業位置図

以下のとおり(秋田県湯沢市高松字高松沢・秋ノ宮役内山国有林内)

自治体と協働で行う国内最大規模の地熱バイナリー発電事業
菅原バイナリー発電所[大分県九重町]

大分県玖珠郡九重町は、自然景観と地熱資源に恵まれた町であり、筋湯、湯坪などの温泉、そして日本最大の地熱発電所・八丁原発電所と菅原バイナリー発電所の2ヵ所の地熱発電所を有しています。

2014年3月、JOGMECは、西日本環境エネルギー(株)による「菅原バイナリー地熱発電事業」を債務保証対象事業として採択。その後、九電みらいエナジー(株)の設立に伴い建設が移譲され、2015年6月に国内最大級の地熱バイナリー発電所が運転を開始しました。

菅原バイナリー発電所の最大の特徴は、九重町と九電みらいエナジーの協働事業であるという点にあります。

NEDOが実証試験のために掘削した地熱井3本の無償譲渡を受けた九重町は、2010年に九州電力に相談を持ちかけ、発電に向けた取り組みを開始しました。

「地元自治体とともに地元の方々への説明や調査報告を行うことで、地元の理解が得やすくなり、操業までの期間が短縮されました。」(九州電力グループ 九電みらいエナジー株式会社 設備運営本部 菅原バイナリー発電所長 永濱順浩氏)

九重町は、九電みらいエナジーから地熱資源提供の対価を得ることで、また九電みらいエナジーは九州電力に売電を行うことで、両者ともに安定した収入を得ながら、純国産の自然エネルギーの利用を促進しています。
また、2015年12月には、「九重町地熱資源の保護及び活用に関する条例」が施行されました。地熱資源開発は、乱開発を避け、持続可能な利用を促進するという新たなフェーズに入ってきたと言えるでしょう。

事業者概要

事業者 九電みらいエナジー株式会社
株主 九州電力株式会社 100%
会社設立日 平成21年12月16日(平成26年7月1日株式会社キューデン・エコソルより商号変更)
会社所在地 福岡県福岡市中央区渡辺通二丁目4番8号 小学館ビル3階
建設予定地 大分県玖珠郡九重町菅原地区

発電事業概要

発電規模
・方式
発電端5,000キロワット、送電端4,400キロワット
空冷式バイナリー方式(使用媒体:ペンタン)
売電先 固定価格買取制度を活用し九州電力株式会社に売電予定
建設期間 平成26年4月〜平成27年6月
運転開始 平成27年6月29日

債務保証の対象

資金調達 株式会社みずほ銀行および日本生命保険相互会社から、長期借入4,000百万円を調達
債務補償額 長期借入4,000百万円に対してJOGMECは80%の債務保証を実施

震災復興、地域活性化を目指して国内最大の温泉バイナリー地熱発電所が運転開始
土湯温泉バイナリー発電所[福島県福島市]

加藤社長と順調に稼働中のバイナリー発電設備

JOGMEC債務保証先であるつちゆ温泉エナジー株式会社(本部:福島県福島市)は、平成26年から福島市土湯温泉地区で土湯温泉16号源泉バイナリー発電所の建設を進めていましたが、平成27年11月より東北電力に売電を開始しました。

本事業は、福島市土湯温泉の湯遊つちゆ温泉協同組合が中心に推進している事業であり、孫会社の事業者がバイナリー発電を行うものです。
同発電所は、既存温泉井を用いた発電規模400キロワットの水冷式バイナリー方式で、一般家庭約500世帯分の使用電力量相当を発電します。
JOGMECは、平成26年3月27日に地熱発電の債務保証対象事業とし、初めての案件として本事業を採択し、事業者が土湯温泉バイナリー地熱発電事業の建設資金の一部として、福島信用金庫から長期借入をしており、この80%に対する債務を保証しております。

土湯16号源泉

荒川の清流が刻んだ渓谷沿いに風情ある宿が並ぶ土湯温泉は、磐梯朝日国立公園内に位置し、四季折々の風情が楽しめる温泉郷です。
東日本大震災の被害で宿泊客の減少が著しく、16軒旅館は11軒にまで減少し、地域全体が危機に追い込まれました。町の再生のため、町が誇る温泉という資源を生かしたいと考えた時、目をつけたのがバイナリ―発電でした。
土湯の源泉は約130℃と高温なので入浴するには冷ます必要があります。
バイナリ―発電はそのいらない熱を使うため、湯量が減ったり、発電のために新しく井戸を掘ることもありません。
計画、地域の合意、資金調達、建設とパイオニアとしての種々のご苦労がありましたが、温泉町の復興という社長と地域の情熱で乗り越えてきました。
運転開始後の発電成績は当初の想定以上で順調に稼動しており、さらに冷却に使って温まった湧き水を利用してエビの養殖やトロピカルフルーツの栽培も検討して、観光資源として活かそうと取り組んでいます。
平成27年からは、若い新入社員も加わり、復興・地域振興にさらにパワーアップが図られ、また、この事業の経験を同様の志を持つ地域や事業者に講演活動や設備案内を積極的に行って、地熱開発の促進に貢献しています。

事業者概要

事業者 つちゆ温泉エナジー株式会社
株主 株式会社元気アップつちゆ 100%(株主:湯遊つちゆ温泉協同組合 90%、NPO土湯温泉観光まちづくり協議会 10%)
会社設立日 平成25年10月11日
会社所在地 福島県福島市土湯温泉町字上ノ町1
建設予定地 福島県福島市 土湯温泉地区

発電事業概要

発電規模
・方式
発電端400キロワット、送電端350キロワット
水冷式バイナリー方式(使用媒体:ペンタン)
売電先 固定価格買取制度を活用し東北電力株式会社に売電予定
建設期間 平成26年7月〜平成27年11月
売電開始 平成27年11月16日

債務保証の対象

資金調達 福島信用金庫から長期借入557百万円を調達
債務補償額 長期借入557百万円に対してJOGMECは80%の債務保証を実施

MESSAGE

温泉を徹底活用したエコタウンを目指して夢は大きく広がります。

 image

町の財産である温泉を核に、人が集まり豊かに暮らせる仕組み作りを進めています。 例えば発電所のガイドや手入れを町の人たちにやってもらうことで雇用を増やす、発電の収益で廃業した旅館の跡地にみんなが集まる施設を作るなど夢は広がります。

また将来、発送電分離で電気の地産地消ができるようになったら、EVバスの運行や災害時に情報を表示できる街灯の設置などの推進もしていきたいです。温泉の徹底活用でエコタウンを目指していきます。

(土湯温泉観光協会・NPO法人土湯温泉観光まちづくり協議会
事務局長 池田和也さん)