「高校生向け地熱講義」@埼玉県立春日部高等学校 開催報告
2023年11月16日
1.開催日時
2023(令和5)年7月4日(火) 16時00分~17時30分
2.場所
埼玉県立春日部高等学校 地学実験室
3.主催
JOGMEC
4.参加者
1・2学年26名
5.開催背景・目的
機構の地熱部門では、2017(平成29)年度より地熱資源開発理解促進活動の一環として、主に小中学生を対象に「地熱特別授業」を実施してきた。しかし現下の地熱事業従事者の不足状況や、再生可能エネルギーに関する盛り上がりを踏まえて、従来の取組をより広範囲に広げ、進路選択を目前に控えた高校生を対象に、2022(令和4)年度より「高校生向け地熱講義」の実施を開始したところである。
今般、埼玉県立春日部高等学校の1・2学年を対象に講義を実施した。
6.講義概要
内容は以下のとおり。地熱事業部の小田翔太と、地熱技術部の中谷内奎より講義を実施し、さらに2つのテーマについて生徒の皆様にグループワークを行っていただいた。
(1)機構の概要
(2)地熱発電の仕組み
(3)地熱資源開発の進め方
(4)機構の地熱資源開発理解促進活動
(5)グループワーク①:各再生可能エネルギーのメリットとデメリットを考えてみよう
(6)グループワーク②:地熱発電は2030年までに日本の1年間の総発電電力量の何%まで伸ばすことができそうか予想してみよう
(7)若手職員としての体験談
7.事後コメントシートより
・地熱発電について発電方法や周辺の事情などの様々なことが分かった。私は元々地学について殆ど興味が無かったが、意外にも面白くて、1つの分野に囚われずに様々な視点を持つことが大切だと思った。
・地熱発電は発電量的に軽視されがちだが、高いポテンシャルを秘めていると感じた。日本との親和性も非常に高いと思ったので個人的な探求を深めていきたい。
・地熱発電は最近よく耳にする言葉だが、再エネの中ではまだまだマイナーで割合も小さいということがわかった。しかし、これからカーボンニュートラルを実現するためには必要な要素だと思う。
・地熱発電の実情や問題点などを詳しく知れて、興味深い講義でした。設置してからは安定して稼働することは事前に知っていましたが、地熱発電に適した条件の地層を発見し、地域の人たちや事業者の説得をする必要があることなど、資源を見つける前にも大きな仕事があるのは今回の講義で初めて知りました。当事者に聞かなければ気づけないような話を聞けたのでとても楽しかったです。
・地熱発電の名前はよく聞くので、実態を知ることができたのは、非常に良かったです。発電地の発見方法は、重力の計測をするなど、思っていたこと(私は、地上からサーモグラフィーを使ったりするのかな、と思っていました)とだいぶ違いました。
・地熱発電は、最初は効率よく行えて地球に優しい発電方法なのかと思ったが、実はさまざまな難題があったことにびっくりした。例えば地域住民との関係や、そもそも地熱 ポテンシャルを探すことは、思っていた何倍も難しい。しかしJOGMECさんのような活動が地球をよりよくしていくのだろうと考えるし、自分も地球のために何かできることはあるのか考えてみたい。
・我々が資源やエネルギーについて議論する時、いつも環境負荷や持続可能性という自然科学的な話に偏ってしまうが、社会への影響や国民の理解も考慮する必要がある問題なのだと気づいた。そのような視野の拡大のためにも、文系や理系、日本や海外といった分け隔てのない学びが次世代の社会に求められているのだと感じた。
・地熱発電の方法とともに、大変さや具体的な仕事内容について学べました。これからは文理分け隔てなく勉強するようにしていきたいです。
・職員の体験談というコーナーでは、こういうとこは似ているけどここは自分にはない、などとても参考になった。就職などについての話も非常に有意義なもので、お話しいただいたことをしっかりと参考にして就活時や進路について考えるときに活かしたいと思います。
8.写真
