日本のこれから
日本の地熱発電設備容量3倍増の達成にむけて
経済産業省の「長期エネルギー需給見通し」(2015年7月)では、電力の需給構造について、安全性、安定供給、経済効率性および環境適合を同時達成する中で、省エネルギーの推進や再生可能エネルギーの最大限の導入を図っていくことなどが基本方針となっています。この中で、地熱発電に関しては2013年の発電設備容量約52万kWを2030年度に約3倍の約150万kWに拡大する目標を掲げています。
JOGMECは、国内では世界第3位の豊富な地熱資源量がありながら開発済みの発電設備容量は2%強にとどまっているという現状認識の下、設備容量3倍増の目標達成に向けて経済産業省や関係機関と連携し、助成金・出資・債務保証の適正執行など事業者の支援に最大限の努力を継続していくことに加え、空中物理探査やヒートホール調査の成果を新たな自然公園内などの案件につなげていくことに注力していきます。
また、開発リスクの低下、リードタイムの短縮にむけた技術開発事業に関しては、高精度物理探査技術および高効率掘削技術の技術開発成果を進行中の案件や今後立ち上がる案件に活用を促進していくとともに、貯留層評価・管理技術の開発で取り組んでいる人工涵養などの知見を出力低下傾向にある地熱発電所に活用し、出力回復に貢献していきます。
さらに、これまで手薄になっていた地熱人材の育成、適切な資源管理に向けた自治体支援など中長期的な課題への取り組みを強化していきます。
一方で、地熱資源開発は地域の理解を得ながら進めていくことが大前提です。
地域と共生する地熱発電を目指し国民の地熱に対する理解を促進していく活動も併せて着実に進めます。

固定価格買取制度(FIT)
再生可能エネルギーの固定価格買取制度は、再生可能エネルギー源(太陽光、風力、中小水力、地熱、バイオマス)を用いて発電された電気を、国が定める固定価格で一定の期間電気事業者に調達を義務づけるもので、2012年7月1日に開始しました。地熱発電では、出力1.5万kW以上の場合26円/kWh、出力1.5万kW未満の場合40円/kWhと設定され(税抜き)、調達期間はともに15年と定められています。
