松尾八幡平地熱発電所
松尾八幡平地熱発電所は、発電端が7,000kW超の地熱発電所の新規稼働としては国内では22年ぶりの2019年1月に運転を開始しました。年間発電量は、一般家庭約1万5千世帯分の消費電力に相当します。
JOGMECの助成金制度、出資制度及び債務保証制度をフル活用した国内初の案件です。

名称 | 松尾八幡平地熱発電所 |
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所在地 | 岩手県八幡平市大字松尾寄木字赤川山1番1 |
認可出力 | 7,499kW |
蒸気部門 発電部門 |
岩手地熱株式会社 |
運転方式 | シングルフラッシュ |
開発の経緯
松尾八幡平地域では、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による地熱開発促進調査(2006~2008年)を八幡平市、日本重化学工業株式会社、地熱エンジニアリング株式会社が受託して実施し、2010年度には受託者にJFEエンジニアリング株式会社が加わり、同促進調査による開発可能量の調査を実施して地熱発電の可能性を探りました。
同調査により、本地域での地熱発電事業は可能性ありと判断され、2011年に日本重化学工業、地熱エンジニアリング、JFEエンジニアリングが出資して岩手地熱株式会社が設立されました。その後、三井石油開発株式会社、JOGMECがそれぞれ株主として追加出資しています。
発電所の位置

基地の配置

設備の概要
タービン・発電機に選定したシステムは、コンパクト化と効率化が図れるといわれる、国内の地熱発電所では初となる『軸流排気型』を採用しています。
発電基地が生産基地から約1km下流に位置していることから、噴気流体輸送時の圧力損失が生じるため、これを最小限に抑えるために、セパレータ(気水分離器)を生産基地内に配置し、蒸気と熱水を別々のパイプラインで輸送しています。
また、発電基地の外壁や屋根の色調を発電基地周辺にある建屋と調和させて統一感を図ったり、発電基地の地表面を道路より低くして発電所建屋の高さを実際より低く見えるように配慮したり、近くを往来する人々に違和感や圧迫感を与えないようにしています。


地域への貢献
発電した電力は東北電力へ売電し、アーバンエナジー株式会社(本社:神奈川県横浜市・JFEエンジニアリングの100%子会社)が特定卸供給先となって、電力の一部を地元八幡平市の公共施設へ売電して電力の地産地消を実現しています。