"温泉の町と発電所の町のサスティナブルな関係 (大分県九重町)"

八丁原発電所 [ 大分県九重町 ]
運転開始:1977年6月
最大出力:110,000kW

阿蘇くじゅう国立公園の山々に囲まれ風光明媚な場所に立つ八丁原発電所は日本最大の地熱発電所です。最大出力は11万kW、昭和52年に1号機、平成2年に2号機が運転を開始しました。また、平成18年には日本で初めてバイナリー発電が導入されています。八丁原発電所は九州では大岳発電所に次いで2番目、全国では5番目につくられた地熱発電所です。

八丁原発電所

大分県九重町は温泉郷。地熱発電の話が持ち上がった時、温泉地の人々が心配したのが、温泉への影響と地域環境との共生でした。

発電所では湯量・湯質のモニンタリングを行い、貯留層の変化を監視している。

温泉への影響に関しては、九州電力が町や地域の代表者の立ち会いの下でモニタリングを行い、湯量や湯質の変化の測定を実施、特に大気環境に関しては、約30年間にわたる暴露試験※1を実施して住民の理解を得ることで、地元との良好な関係を築いてきました。

大分県九重町の温泉郷

※1暴露試験
大気、風雨、直射日光に試験体を長年にわたりさらすことで、化学的・物理的性質の経年変化を調査すること。

MESSAGE

温泉の街と地熱発電所が共生し、大分県の観光スポットになっています。

井上隆史さん

温泉が大きな観光資源となっている町なので温泉に何らかの影響が出るのではないかということが一番の心配事でした。それを解決するために、発電所側が湯量・湯質の変化を測定したり、住民の方と発電所の方との話し合いの場を設けるなど、地域と共生するためのさまざまな取り組みが続けられています。最近では自然エネルギーへの関心の高まりとともに、日本で一番大きい地熱発電所ということで見学者も増加、多くの人が訪れる観光スポットになっています。

(九重町役場 地熱担当職員 井上隆史さん)(2012年当時)

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