上の岱地熱発電所

東北電力(株)および東北自然エネルギー(株)のパンフレットをもとに作成しております。

上の岱(うえのたい)地熱発電所は、平成6年3月に全国で12番目、東北では5番目に完成しました。平成9年2月からは27,500kWから28,800kWに出力が変更されています。

上の岱地熱発電所
名称 上の岱(うえのたい)地熱発電所
所在地 秋田県湯沢市高松字大日台
認可出力 28,800kW
蒸気部門 東北自然エネルギー株式会社
発電部門 東北電力株式会社
運転開始 平成6年3月4日
発電方式 シングルフラッシュ

地熱発電とは

地熱発電所のタービン・発電機をまわしているのは「地熱」です。いいかえれば、”地球”がボイラーの役目を果たしていると考えればよいでしょう。地下数キロメートルには、マグマ溜まり(高温溶岩)があり、周辺の岩盤を加熱しています。ここに地表からしみ込んだ雨水や地下水が熱せられ、高温の蒸気や熱水となって「貯留層」と呼ばれる割れ目や、岩石の隙間に蓄えられます。地熱発電では、この貯留層に溜まっている蒸気を生産井で取り出し蒸気の圧力でタービン・発電機をまわして電気を作っています。使用後の蒸気は温度を下げ、水に戻してから還元井で地下に戻されます。

地熱発電は、この繰り返しで電気を作っているので火山国の日本にふさわしい発電方式といえます。

自然にやさしい心配り

大気汚染対策

蒸気中に含まれる硫化水素は冷却塔の中で多量の空気で薄め、上昇拡散させ濃度の低減を図っています。

排水対策

熱水、冷却排水、そして全ての浄化槽等により処理した一般排水は、還元井によりすべて地下深部へ還元しています。

熱水、冷却排水、そして全ての浄化槽等により処理した一般排水は、還元井によりすべて地下深部へ還元しています。

機械類の屋内配置や低騒音型の機械を採用し、騒音対策を図ります。振動の発生する機械類は、高性能の小型のものを採用し、基礎を強固にする等の対策を図っています。

自然環境との調和

発電所の設置にあたっては樹木の伐採範囲を最小限にとどめ、構内に適切な緑化を行いながら、建物の形状・色彩について留意するなど自然環境との調和に配慮しています。

発電所の位置

上の岱地熱発電所の位置

上の岱地域は秋田県湯沢市の南東部にあり、栗駒国定公園に隣接する標高600から700mの丘陵地に位置しています。

上の岱位置図
周辺ロードマップ

開発の経緯

昭和46年 同和鉱業(株)が小安・泥湯地域で地熱調査を開始。
昭和56年 東北電力(株)と地熱開発の共同調査を開始。
昭和61年 秋田地熱エネルギー(株)設立。
昭和63年 3か月の一斉連続噴気試験を実施、蒸気量272t/hを確認。
平成元年 上の岱に関する開発基本協定締結(東北電力・秋田地熱エネルギー)、目標規模:27,500kW。
平成3年 第117回電源開発調整審議会にて上の岱地熱発電所計画了承。
平成6年 3月4日より運転開始(認可出力27,500kW)。
平成9年 2月12日より認可出力変更(28,800kW)。

特徴

発電能力

上の岱地熱発電所では28,800キロワットの電気を発電することができます。平均的な家庭の約11,000世帯で使用される電気使用量に相当します。年間の発電量は、稼働率を約80%とすると約2億万kW。

蒸気の温度

地下深部では約380度、地上では約170度、発電所で使うときには161度となっており、発電後は約50度の温水となります。

蒸気の発生量

1時間あたり約275トンです。28,800kWの出力を維持するには、約235トンが必要です。

基地の配置

敷地面積:91,436平方メートル、主蒸気輸送管延長:1,398m

設備の概要

上の岱発電所では、生産井から噴出した流体を各生産基地に設置した気水分離器で蒸気と熱水に分離し、蒸気は発電所へ、熱水は還元基地に導きます。

坑井・地上設備

坑井には地下から高温の地熱流体をとりだす生産井と、熱水を地下に戻す還元井があります。上の岱では10本の生産井から約240t/hの蒸気と約60t/hの熱水を生産し、還元井は3本が稼動中です。
上の岱では各基地から複数の傾斜井(曲げた井戸)を掘削して、敷地面積を少なくし、地上設備の集約化を図っています。

生産井C基地

蒸気設備管理所・中央監視室

生産井から噴出する地熱流体は、気水分離器(セパレーター)で蒸気と熱水に分離されます。分離された蒸気に含まれている細微な岩片等を取り除かれた後、発電所へ送られます。一方、熱水は輸送管を通して還元基地へ運ばれます。輸送管の圧力や還元量などは、各所に設置されたセンサーとコントロールバルブによって自動的に制御され、異常事態にも対応できるようになっています。

蒸気設備管理所・中央監視室

蒸気輸送管を通って発電所へ導かれた蒸気は、タービン・発電機を駆動して発電します(シングルフラッシュ方式)。

シングルフラッシュ方式

役目を果たした蒸気は復水器で凝縮され、冷却塔でさらに冷やされた後、再び復水器に送られて冷却水として再利用されます。

発電所本館
発電機・タービン室
冷却塔

地熱の構造

上の岱地域の地熱構造

上の岱地域の地熱構造

上の岱地域は小安岳、高松岳等の第四紀火山の北側に位置し、地表下約1,000mでは岩盤温度が250度を越え、300度以上の高温域は南東方向に拡がっています。
本地域は、NW-SE系の断層とこれに直交するNE-SW系の断層により地層がブロック化し、熱構造と地熱流体の流動を規制していると考えられています。

トピック

タービンスケール対策

世界ではじめて蒸気への清水注入方式によるタービンスケール付着防止装置を実用化しました。

写真上:装置設置前のタービンノズルスケール付着状況
写真中:スケール付着部のアップ
写真下:装置設置後タービンノズルスケール付着状況

タービンスケール対策

PR施設の紹介

森の中の素敵なエネルギー館

地熱発電のしくみや疑問はもちろん、地球内部のしくみやエネルギーについても楽しみながら学べます。

上の岱地熱発電所PR館
上の岱地熱発電所PR館内

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